もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜

僕は引き攣った笑顔を浮かべながら返事に困っていると、

(*^^)
「お腹すいたねー、お弁当にしましょー」

と、これまた大きなバックから次々と取り出されてくるタッパー達。

友人達は口々に「待ってました」とか「これがないとね」とか言ってる。
どうやらしぃちゃんはみんなの分のお弁当を作って来てるらしい。

僕は正直感心した。

(´・ω・`)
(これだけのお握りやおかずを作るのに何時間かかるんだ?
それでなくても朝早い待ち合わせだったのに・・)

しぃちゃんはニコニコしながらお弁当の包みを広げていた。

お弁当の包みの中には大量のおにぎりと唐揚げや卵焼き、タコさんウィンナーに萌える。

(*^^)
「はい、みなさん、つまんで、つまんで」

(´・ω・`)
(これはちょっと凄いかも・・)

しぃちゃんの友人達は遠慮なしにつまんでいく。

(*^^)
「ちょ、何ぼーっとしてんの?遠慮しなくて良いよ。それとも食べさせてあげようか?」

しぃちゃんはふざけて「あ〜ん」とか言ってるし、友人達はケラケラ笑ってるし、僕はもう、どうして良いやら。

(´・ω・`)
「じ、じゃあ、そのおむすびください」

僕はタッパーの中のおむすびを一つ取って貰って一口食べた。

(;´・ω・`)
「!!!!!」(最悪だ!)

僕は梅干しが大の苦手だ。その梅干しが今、口の中に入っている。

(;´・ω・`)
(ヤバイヤバイヤバイ!僕は今どんな顔してるんだろ?!しぃちゃん変な誤解とかしてないかな?!)

(*^^)
「どう?まずかった?」

(;´・ω・`)
「ほっへもほいひぃへふ(とってもおいしいです)」

(*^^)
「そう?とてもそんな風には見えないんだけど。あ!梅干し苦手だった?」

僕は子供が「イヤイヤ」をする様にかぶりを振った。

(;´・ω・`)
「大丈夫です、大丈夫。ほら食べれます」

僕は二口目を口に入れる。梅干しの酸っぱい味が口の中に広がる。
残りを一気に口の中に入れ、無理矢理飲み込んだ。

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