もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜
(´・ω・`)
「お帰りなさい。片付きましたか?」
(*^^)
「うん。ねぇ、あの人と何話してたの?」
僕はライターの事や話しをした事をかい摘まんで話してあげた。
(*^^)
「ふーん。そんな事があったんだ。あの人、サポータークラブの会長さんだよ、確か」
(´・ω・`)
(へぇ、そうなんだ。飾らない人だな)
僕はその時はそれ位しか感じなかった。
(*^^)
「じゃ、いこっか」
僕らは荷物を抱え、階段を登り始めた。
秋の太陽は大きく傾き、地面に長い影を作る。
(´・ω・`)
(またな、鳥栖スタジアム)
心の中で呟き、スタジアムを後にした。
11月の落日は早い。僕たちは鳥栖駅を目指し、虹の橋を、来た時とは逆の方向へ歩いていた。
さすがにみんなの口数は少なかった。
途中、大分から来たであろうツアーバスの中から「お先にー」と声が掛かるが、軽く手を振る程度だった。
鳥栖駅を通り過ぎ、駐車場へと着いた。
「じゃあ、また」「うん。ありがとう」
そんな言葉を交わした後、それぞれの車に乗り込み帰路、大分を目指す。
しぃちゃんは来た時とは別人の様に黙りこくっていた。
助手席の窓枠に肘をかけ、外の景色を目で追い掛ける。
時折、「ハァ」と溜息をつく。
僕は「やっぱりショックは大きかったんだろう・・」
そんな位にしか考えていなかった。
しぃちゃんのナビは無かったが、来た道を逆行するようにして車を長崎道へと走らせた。
高速の自動発券機で通行券を受け取り一路大分へ。
高速の流れはスムーズだった。予定通りだと、夜の8時には大分に着くはずだ。
しぃちゃんの家まではそこから30分もかからないだろう。
しぃちゃんは相変わらず外の景色を眺めていた。
(´・ω・`)
「ん?」
しぃちゃんの様子が変だ。こぶしをギュッと握り締め、心なしか肩を震わせている。
(´・ω・`)
「しぃちゃん・・」
(*^^)
「終わっちゃったね・・。明日からどうやって生きていこうか」
冗談交じりに言ったのだろうが、真っ赤な目には大粒の涙が溢れていた。