もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜

ガッツポーズで決める吉田孝行。それをもみくゃにする仲間達。

フラッグをタオルを振り回すゴール裏。
しぃちゃんの真新しい「背番号9」も揺れに揺れている。

(´・ω・`)
(やりましたね、イケメン)

もちろん僕も狂喜の輪の中で跳びはねていた。

「Get Goal吉田!吉田!吉田!吉田!」

早い時間帯の得点は益々大分の集中力を研ぎ澄ませ、襲い掛かかってくる相手の攻撃をことごとく跳ね返す。

先制したら大分は強い。
それは誰もが知っていた。
「いける!」
ピッチ内の選手を鼓舞するゴール裏は熱く、そして勇ましく高まっていった。

ハーフタイムを挟んだ後半。
追加点が欲しい。
DF陣の疲れも見え始めた83分。
途中交代の吉田に代わって入って来た高松が相手ペナルティーエリアではたいたボールを詰めていた、これまた途中から入って来た小森田が押し込む。

「ゴーーーーーール!!」

この追加点で試合は決まった。

ロスタイムに入ると「トリニータオーレ」の大合唱だ。

静かな「オーレ」は試合終了のホイッスルで一変し、喜びに満ち溢れる勝利の雄叫びへと変わっていった。

これで開幕2連勝。J1昇格へ向けて最高のスタートを切った。

ゴール裏に整列した選手達も自信に満ち溢れている。

戦いを終えた戦士達に「大分よりの使者」を捧げるサポーター。

『最高で最愛の大分トリニータ』

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