もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜
医師の話ではしぃちゃんは「子宮筋腫」と言う病名で、子宮の筋肉細胞にできる良性の腫瘍のことだそうだ。通常は、大きくならない限り、特に問題ではないが、腫瘍ができた場所によっては、不妊症や多量の出血、性交時の痛みなどを引き起こすことがある。そのため、腫瘍を取り除くための子宮摘出手術や筋腫摘出手術を受ける必要があるらしい。
しぃちゃんの場合は痛みが酷いのと、腫瘍のできている場所を考えると腫瘍の摘出手術が打倒であろうと告げられた。
「手術」と聞いただけで僕の頭の中は真っ白になっていった。
僕さえそんな状態だったのだから、しぃちゃんの受けたショックは図り知れない。
「出来るだけ早く」と医師は付け加え、僕らは診察室の外へ出た。
僕はしぃちゃんの肩を抱くようにして受け付けのソファに座らせた。
(;*^^)
「手術しないと赤ちゃん出来なくなるんだって・・」
ぽつんと呟くしぃちゃん。
僕は何を喋っていいのか言葉を探した。
(;*^^)
「赤ちゃん欲しいよね?」
(´・ω・`)
「赤ちゃんはともかく、しぃちゃんの身体が大切です。ほっといたって良くないですよ?」
(*^^)
「・・だね」
しぃちゃんは俯いたまま、「ハァ・・」とため息をつく。
(´・ω・`)
(僕が診察室に呼ばれたって事は、やっぱりそう言う事ですよね。け、結婚する事前提って事ですよね)
僕がそんな事を考えていると、受け付けから声がかかる。
しぃちゃんは身動き出来そうにない為に僕が精算をして痛み止めの薬を受け取った。
「お大事に」
受け付けの女性から声をかけられ僕はしぃちゃんの側へと向かう。
(´・ω・`)
「さ、帰りますよ」
(*^^)
「うん。そうだね・・」
言って立ち上がったものの足元はふらついている。
いや、震えていた。
僕は再びしぃちゃんの肩を抱き抱えるようにして玄関へと向かった。
「お大事に」
そんな声を聞きながら―――。