もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜

(´・ω・`)
「それと、これ」

僕はしぃちゃんのレプリカユニホームを広げた。

(*^^)
「なぁに?それあたしのユニ?」

僕はスポパでの出来事をちょっと興奮気味に話した。
しぃちゃんは黙って聞いていた。
一通り僕の話を聞くと、

(*^^)
「一人で逢いに行ったんだ、ずるいぃ」

頬をわざと膨らませる。

(´・ω・`)
「どこに置いときましょうか?壁に貼ります?」

(*^^)
「あのね、それ、明日の試合に連れてって、あたしの替わりに」

しぃちゃんも明日の試合には行きたがっていた。
なんせ思い出の鳥栖戦だ。
アウェー鳥栖戦の帰り道、僕としぃちゃんは結ばれた。

―――リベンジ―――

ホームで鳥栖に勝つトリニータを見たがっていた。

(´・ω・`)
「わかりました。明日一緒に連れて行きます。終わったらまた持って来ますね」

(*^^)
「うん!そうして」

僕はしぃちゃんにその後「孝行ってやっぱり優しいねー」「結婚してなかったらなぁ」等と吉田孝行の事を散々と聞かされた。
しぃちゃんはユニホームをパタパタさせながら嬉しそうに語っていた。

(´・ω・`)
(少しは僕の事も褒めて下さい・・)






そして翌日――――

3月21日(木・祝)曇り

Jリーグディビジョン2
大分トリニータ対サガン鳥栖

ビッグアイに7,943人の観衆を集め、14:03にキックオフされた。

試合は前半18分、吉田が相手ゴール前で驚異の粘りを見せ、右足を振り抜くとボールはゴールマウスに吸い込まれて行った。

僕はタオルマフラーの代わりにしぃちゃんのユニホームを振り回した。

――先制したトリニータは強い――

試合終了間際の88分に途中出場の高松が豪快なボレーシュートで相手を突き放す。

そして試合終了。

大分2-0鳥栖

これでトリニータは開幕から負けなしの4連勝だ。

吉田孝行は僕と約束した通りにゴールと勝利をプレゼントしてくれた。

(´・ω・`)
(僕と約束したからって訳でもないでしょうけどね)



僕は試合が終わると、真っ先に病院へと駆け付けた。

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