もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜
第7章〜亀裂〜
そしてこの頃から僕にやたらちょっかいを出してくる女性が現れた。
僕の良く行くレンタルビデオ屋さんのアルバイト店員で名前を香織さんと言う。
もちろんしぃちゃんも連れ立って通ってたレンタルビデオ屋さんで、トリニータの試合のない週末等は良く利用していた。
最初は挨拶程度の会話だったのが、ある日一人でビデオを返却に店を訪れた時にまともに話し掛けられた。
ξ゚ー゚)ξ
「あら?今日は妹さんと一緒じゃないのね」
最初は、誰と話しているんだろう?まさか僕じゃないよな。
と、振り返ると、その人が目の前にいた。
(´・ω・`)
「は?妹・・ですか?」
ξ゚ー゚)ξ
「そう。目のクリクリっとした可愛い子。あれひょっとして妹さんじゃないの?」
この人は何でこんなに親しげに話し掛けてくるのか、僕には理解出来なかった。
(´・ω・`)
「僕には妹はいませんけど・・いつも一緒に来るのは彼女です」
ξ゚ー゚)ξ
「ちっ・・」
(´・ω・`)
「はい?」
ξ゚ー゚)ξ
「私よ、私。ほら中学で一緒だった、か・お・り」
一瞬にして僕の記憶が逆行する。
中学時代。野球部。グラウンドの片隅。陸上部で高跳びをしている・・・
(´・ω・`)
「あ・・・」
ξ゚ー゚)ξ
「ね。思い出した?」
(´・ω・`)
「はいはい。陸上の香織さん」
ξ゚ー゚)ξ
「陸上って、私は自衛隊かっての」
(´・ω・`)
「す、すいません」
ξ゚ー゚)ξ
「まあ良いわ。ねぇ、この後時間ある?」
(´・ω・`)
「え?今からですか?」
ξ゚ー゚)ξ
「そう。私、後30分で上がりなんだけど、ちょっとお茶しよ」
香織さんはそう言うと、近くのファミレスの名前をあげ、待つように僕に告げた。
僕は彼女に「借り」がある訳ではないが、しぃちゃんがやって来る夜まではまだ時間がある。それに久しぶりの再開に積もる話もあるだろう――。
と、言う訳でそれを了解した。
ファミレスでは昔話に花が咲いた。中学の頃――。高校へ進学してから――。大学、就職――。
話は尽きなかった。