もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜
(*^^)
「あたしね、悲しかった。信用されてないって思った。話したら疑われるって思ったから言えなかったんだよね?それとも疑われるような事してたの?」
(´・ω・`)
「いや、それはしてませんよ。サッカーの神様に誓って、してません」
僕はここで一部始終を話した。
何もかもがしぃちゃんにとっては初めて聞く話だった。全部を話した。
(*^^)
「で?それをいつあたしに話してくれるつもりだった訳?」
僕は言葉に詰まってしまった。いつ話すつもりだったんだろう?出来れば隠し通したかったのだろうか?
(*^^)
「ほら、信用してないじゃん・・」
僕は言い返す事が出来ないでいた。
しぃちゃんは飲みかけの温くなったビールを一気に飲み干した。
三度の沈黙が僕らを襲った。
しぃちゃんは飲み干したビールのコップを所在無さげに指でもてあそぶ。
僕はポケットの上から指輪の入ったケースを触っていた。
ピッチでは試合前のウォーミングアップも終わり、開始まであと10分と言ったところだった。
僕はこの指輪を取り出そうかどうか迷っていた。
取り出した所ですんなり受け取ってくれるとは思えない。しかし何らかのきっかけにはなるかも知れない。
僕は藁にでもすがりたかった。
彼女を失いたくは無かったんだ。
僕はスッと立ち上がり、ポケットからケースを取り出した。
しぃちゃんの視線がケースに向けられる。
その目が僕を見てこう言った。
(*^^)
「悪いけど、それは今は受け取れないよ」
(´・ω・`)
「でも、これはしぃちゃんの物ですよ?世界でたった一つの」
(*^^)
「それはまだあたしの物じゃないよ。その指輪には気持ちが入ってない。聞こえない」
(´・ω・`)
「じゃあ、どうしろと・・」
もう全て話した。こんなので納得出来ない気持ちはわかる。しかしこれ以上どうしろと言うのか。彼女の気持ちは切れてしまっているのだろうか。
すると、しぃちゃんは信じられない事を言った。
(*^^)
「そうだね。この試合に勝ったら受け取っても良いよ」
しぃちゃんは本気で自分の未来をこの試合に賭けると言うのだろうか?
いくら何でもこれは酷過ぎる。