もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜
最低コールの中、トリニータ選手達に取り囲まれながらも退場して行く3人の審判達。
その後、身の危険を感じた審判達は警備員の護衛を付けビッグアイをあとにしたと言う。
奇しくも審判の判定を巡ってビッグアイは一つになった。熱く長いゲームが今終わった。
(´・ω・`)
「引き分けでしたね・・」
僕としぃちゃんはスタジアム外の縁石に腰掛けていた。
既にスタジアムを後にするサポーターの姿は疎らだ。
(*^^)
「引き分けかぁ。考えて無かったなぁ・・」
(´・ω・`)
「でもあの審判の判定じゃなかったら勝っていたゲームでした」
(*^^)
「そうだね・・うん。じゃあこうしよう」
すくっと立ち上がり、僕の正面でしぃちゃんはこう言い放った。
(*^^)
「トリニータがJ1昇格したら受け取るよ!」
(´・ω・`)
「えええ!まだ続けるつもりなんですか?もう許して下さいよ!」
(*^^)
「ダ〜メ!許さない。あたしは深く傷付いたの!」
(´・ω・`)
「あああ・・・」
(*^^)
「ねぇ、それ、ちょっと一瞬だけ貸して?」
僕の手の中の指輪を示してそう言う。
しぃちゃんは指輪を自分の薬指にはめ、夜の外灯にかざしている。
(*^^)
「うわぁ!ピッタリ!」
(´・ω・`)
(当たり前ですよ・・)
(´∀`*)
「なになに?仲直りできた?」
(´・ω・`)
「まりちゃんさ〜ん、聞いて下さいよ。この人ったら・・」
僕とトリニータの運命共同体はもうしばらく続きそうだ。