もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜
次の日の朝。目覚めると頭がズキンと痛む。二日酔いだ。
あんなに飲んだのはいつ以来だろう?
隣に寝ていたしぃちゃんは既に起き出していた。朝食の準備でもしているのだろうか。
僕は痛む頭を抱え、キッチンへと向かった。
誰もいなかった。
と、なれば水槽小屋にいるのだろう。
蛇口から水を出しコップに注ぐ。田舎の井戸水は冷たく美味しい。
キッチンは良く整理されていた。まったく父親の几帳面さには呆れる程だ。
僕は玄関から外へ出た。まだ朝の時間帯だと言うのに真夏の太陽は容赦なく照り付けてくる。
遠くで子供の声がした。集合墓地の方向からだ。
「墓参りにも行かねば」等と考えながら水槽小屋へとたどり着く。
中からは二人の声がした。ボソボソっと何やら話している様子だ。
僕が「おはよう」と言いながら入って行くと、二人も「おはよう」と返してきた。
(´・ω・`)
「何?今日も仕事してるんですか?」
(*^^)
「今日はお昼のお客さんの分だけだって。午後からはお休み出来るらしいよ」
父親はニコニコしながらしぃちゃんの話に頷いていた。
手元の包丁は鯛を捌いている。
(*^^)
「あたしここのお店大好きだなぁ。涼しいし、お魚いっぱい食べれるし」
(´・ω・`)
「まだ食べる気ですか?夕べさんざっぱら食べたでしょ?」
(*^^)
「うん。食べる食べる」
そう言って父親を笑わせた後、僕らは海岸を散歩した。