もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜

何とも危なげない試合運びで6戦負け無しだ。
ゴール裏前に整列した戦士達に万雷の拍手を贈るサポーター達。

「絶対!J1行くぞー!」
サポーターと戦士達の気持ちは一つになっていた。


僕としぃちゃんは大分川の土手を歩きながら次節の話をした。

(*^^)
「いよいよ週末は鳥栖戦だねぇ」

(´・ω・`)
「行きますよ、鳥栖!去年の借りを返しに」

(*^^)
「リベンジ!リベンジ!」

僕らはどちらからともなく手を繋ぎ、鳥栖への思いを馳せた。

夜空には真ん丸いお月さんが僕らを見下ろしていた。



10月13日(日)雲 13:04 Kickoff

第36節 鳥栖−大分 鳥栖スタジアム


目覚ましが鳴る。手探りで携帯を手に取り時間を見る。

5:30――

眠い目を擦りながらリビングに向かう。

(*^^)
「おはよー」

(´・ω・`)
「おはようございます・・」

しぃちゃんは何時に起きたのだろうか?
キッチンカウンターには美味しそうなおかずがズラリと並んでいた。

(*^^)
「早く顔洗って、まり来ちゃうよ。あ、ねぇコーヒー飲む?」

前日から泊まりに来ているしぃちゃんは朝早くからお弁当を作っていた。
少々高いテンションについていけない僕は「飲みますん」と曖昧に答え洗面所へ入った。

(*^^)
「もー!どっちなのよ!」

笑いながら大きな声で背中に浴びせられた。

顔を洗い、鏡の中の自分を見る。
意識が段々とはっきりしてくる。

(´・ω・`)
(まりちゃん、6:00に来るって言ってましたね)

鳥栖へは僕の車で3人で行く事になっていた。

歯ブラシをくわえたままリビングに戻るとテーブルの上には煎れたてのコーヒーとピーナッツが並んでいた。

僕はほとんど朝食は取らない。
それと、コーヒーにピーナッツは定番だ。

(*^^)
「変なの」

そうは言われてもピーナッツをカリッとやりながら飲むコーヒーが美味いんだからしょうがない。

洗面所で口をすすぎ、再びリビングへ。
ソファーに座りコーヒーを啜った。
熱い液体が喉を過ぎて行く。

< 94 / 119 >

この作品をシェア

pagetop