いじめ
ピーっとお湯が沸き、
私は紅茶を作り始めた。


「あら、ちづるもおはよう。」


ちづるお姉ちゃんが起きてきた。
可愛いパジャマで髪の毛はふわふわ。


ちづるお姉ちゃん、いつも可愛い。


「うん、おはよ。
 …あれっ?!
 美羽っ?!
 おかーさん、こりゃ雨降るよ!」


えーっ?!
私ってどんなイメージ持たれてるわけ。
笑い合っているちづるお姉ちゃんと
美雨母さんに喋りかけた。



「紅茶、いる?」


「イエス プリーズ♪(うん、頂戴♪)」


「Ok, sis.(お姉ちゃん、分かった。)」


「イエス プリーズ~!」


「分かったぁ~。」


「あれ、なんでお母さんには日本語?」


あははは、と笑い声が朝からキッチンに響く…。




嘘みたい…。
さっきのことを思い出して、
私は愕然となる。


さっきまで家で笑っていた。
そして幸せな気分で家を出た。


途中で千恵美ちゃんに会って
おはよう、と挨拶を交わす。


で、下駄箱で彩ちゃんと会った…。


「おはよ、彩ちゃん、
 私ね…。」


言いかけた私の口を
塞ぐ彩ちゃん。


いつものようにふざけてるんだと思って
私は思わず笑ってしまった。


「もう喋りかけないでくれる。」


なのに…なのに…。
この言葉、言われて今頭が呆然としている。


ショック…。彩ちゃん…?
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