いじめ
「彩ちゃん…?
 んー教室にさっき来たけど
 すぐに出て行っちゃったよ。」


「えっ…本当…。
 桃子ちゃん、ほんとありがと。」


じゃぁね、と手を振ると私は
教室をあとにした。


どこに行ったんだろ…。


私、彩ちゃんが行きそうなところとか
全然分かってない…。


親友って軽々しく思ってたけど…
言っていたけど…


彩ちゃんは私のことを親友だなんて
更々思ってないんじゃないだろうか?


辛い時に行きそうな所?


そのくらい、分かっていないと。


だって、親友なんだから───


彩ちゃん、ごめんね。
今から行くから…。


B組の廊下を通り抜け、
A組の廊下に差し掛かった時。


「キャハハハハハ!」


あ…愛美ちゃんたちの笑い声。
そうだ、愛美ちゃんなら知ってるかも。


幼馴染だって言ってたもん…。


「愛美ちゃ…───」


A組のドアが少し開いていて、
そこから顔を出して呼びかけようと
した時、彩ちゃんの顔が見えた。


「あーっ美羽ちゃんが来た!
 凄いね、彩。ドンパチリじゃん!」


…何のこと?
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