いじめ
B組の廊下を通り抜け、
A組の廊下に差し掛かった時。


「キャハハハハハ!」


あ…愛美ちゃんたちの笑い声。
そうだ、愛美ちゃんなら知ってるかも。


幼馴染だって言ってたもん…。


「愛美ちゃ…───」


A組のドアが少し開いていて、
そこから顔を出して呼びかけようと
した時、彩ちゃんの顔が見えた。


「あーっ美羽ちゃんが来た!
 凄いね、彩。ドンパチリじゃん!」


…何のこと?


彩ちゃんの声が教室中に
響き渡った。


A組の生徒が
何事かとこっちに注目した。


愛美ちゃんたちがいる場所は
教室の隅っこで、
ドアの近く。


「彩ちゃん、どうしたの…。」


彩ちゃんに近づこうとして
思わずドアの枠を掴んだ。


「こんな教室の隅で話し合うのも
 微妙だからトイレ行こっかぁ。」


愛美ちゃんがニヤッと笑って
トイレの方向を人差し指で指す。


「…え?
 話し合う?」


キョトンとして聞き返したけど
何故か綾実ちゃんと瑠夏ちゃんに
両腕を掴まれた。


「行こ~♪」


「えっ…え?
 何、何…?
 彩ちゃん…!」


彩ちゃんに向かって手を伸ばしたら
彩ちゃんも少し
躊躇い、立ち上がった。
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