いじめ
やだ…愛美ちゃん、わけがわからないよ。


無意識にトイレの床を後ずさりする。
ジリジリと。


「早く。」


愛美ちゃんが言った。


そうしたら…まるで鶴の一声のように…。
綾実ちゃんと瑠夏ちゃんが
彩ちゃんの腕をつかんだ。


「「早くしろよ。」」


2人が同時に言って
私は寒気を覚えた。


何、この2人は愛美ちゃんの奴隷…?!


彩ちゃんが口の中で何か言った。


「え…?」


みんな耳を済ませる。


「彩今なんて言った?」


愛美ちゃんがウザったそうに
そう聞く。


「…やだ。」


「嫌?
 …は?
 あんたに拒否権あるわけ?」


愛美ちゃんが鼻で笑いながら
そう言った。


意味わからない───
拒否権って人間誰でもあるもん…。
愛美ちゃん、何がしたいの…?


自然と恐怖なんてなくなっていた。


「愛美ちゃん、どういうこと…?!」
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