いじめ
「…でも…美羽をいじめるのなんて…
 嫌…どうせならあたしだけ
 をいじめて欲しかった…。」


「そんなっ…!」


「…写真…バラまかれたら…
 みんなに何か言われる…。」


…そう…かもしれない…。


「ごめんね、美羽。
 千恵美や桜は、
 愛美たちに言われたんでしょ?
 多分。」


彩ちゃんが顔を上げて
寂しそうに言った。


「…あ…そっか…。
 でも、彩ちゃんは私の悪口なんて
 言ってないって信じてたよ…?」


「有難う…美羽…!」


まるで感動の再会、
みたいに抱き合う2人の耳に
チャイムが鳴り響いた。


キーンコーンカーンコーン…。


「ごめんね、美羽ちゃんたちが
 傷つく前に助けられなくて───…
 今度は絶対に助けたい…。
 美羽ちゃんたちを傷つけたくないから…。」


田邨さんが呟いた。


「え…?!
 違うよ…!
 落ち着かせてくれて、
 ほんとに感謝してる…!」


私、さっき、実際に思ったから。
この世の中にいじめられてる人って
たくさんいると思う。


味方が家族だけ…って人も
いると思う。
それなのに私を助けてくれた2人…。


本当に有難う。

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