いじめ
お互い呼び捨てで呼び合おうって
いうことになり…


「美海、柚花…ほんとありがと…。」


「うん…ほんっとにありがと…!」


私たちがお礼を言ったら
美海は、that is alright、とか言って
柚花はショートカットの髪を
なびかせて…
格好良く去って行った。


「…彩ちゃん…写真…バラまかれても…
 気にしないのが1番だよね…!」


「…美羽、そうだね…。」


彩ちゃんは顔を暗くして呟いた。


「これで気にしてたら
 愛美たちの思う壺だったこと
 忘れないようにしなくちゃ…!」


そう言って勢いよく空を見上げた
彩ちゃんの目は光っていた。


…───彩ちゃん。


「私、彩ちゃんのこと出来る限り
 支えたい。」


「…美羽…ありがと。」


チャイムがさっき鳴って…
今は中休みの筈だ。


屋上から出よう、ということになって
屋上のドアを開けた…
と同時───…。


「つ…冷たっ…。」
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