いじめ
「やだぁ…水だ…。
 …美羽?!
 大丈夫?」


私にはバケツも当たったけど
彩ちゃんだって濡れている。


私のことを心配してくれている。


バケツごと水を被った私たちは
体操着に着替えることにした。


愛美ちゃんたち…私たちが
ここにいること…知ってたんだ…。


「…これ、愛美ちゃんたちだよね?」


念のため、聞いてみる。


うん、そうだと思うよ、
って彩ちゃんは悲しそうに言った。


彩ちゃんの悲しい顔なんて
見たくないよ。


そんな顔をさせるなんて、
愛美ちゃんたち、許せないよ…。


いじめになんて負けない。
自分らしく生きるんだ。


いじめなんて自分に関係ない言葉だと
思っていた。


だけど…。


決めた。


私、強く生きるんだ───…。


だけど、私はまだ分かっていなかった。


いじめがどんなに残酷で
醜い出来ごとか、なんて。


死にたいって思うほど辛くて
消えてしまいたい…
自分に自信がなくなる、なんて。
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