いじめ
だけど、男子が


「へぇ、じゃあ告ったってことは
 認めるん───」


「黙ってよ…!」


彩ちゃんがそう遮り、
教室を派手に出て行く。


当然の判断だろう…。


「彩ちゃんっ…!」


私も声を上げて
追いかける。


…と、誰かに腕を掴まれて


「誰っ…!」


やめてよ、と乱暴に振り払い、
振り向いた。


「ちょっと、お前は
 関係ねぇんじゃないの?」


…え?
クラスの男子。
さっき…彩ちゃんを冷やかした男子の
一人だ…。


許せない…。
喋りかけないでよ…。


「関係、あるよ!」


本当に最低…!
彩ちゃんを放っておくわけにはいかないの。


私は彼を思いっきり睨みつけた。


「大ありだよ!
 本当最低!
 性格悪すぎ!」


言葉は口からどんどん漏れてくる。
本音だから…こんなに
スラスラ言えるんだ。


「彩ちゃんが私のお嫁になって下さい、
 なんて言う訳ないでしょ…?!」
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