いじめ
「どうしたらいじめ、
 止めてくれるかな…。」


涙目で私のことを見上げる
彩ちゃん。


…それ、難しい疑問…。


「…わかんない…。」


正直にそう言って
私まで涙をこぼしてしまった。


悲しすぎるよ。
有り得ないよ。


さっきの出来事を思い出すだけで
大量の涙が溢れ出てくる。


さっきは唇を噛んで、
泣かないように頑張るだけ、
それだけで泣かないように
出来たけど…。


今は無理だよ。
自分をコントロールできない…。


私、今ははっきり言って
みんなにあんな風に
酷評されたことが
ショックで泣いているだけ…。


みんなに嫌われたこともショックだったけど…
彩ちゃんが辛い思いしているのも
悲しすぎて。


私たちは
屋上の開かない扉で
ずっと泣いていた。


…───どうして。


どうして、いじめってあるの…?
こんなに自分に自信がなくなったの
なんて初めてだよ…。


いっそ消えちゃいたい…。
彩ちゃんがいなければ、私って…。
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