いじめ
冷凍庫を開けて
中身を確かめる。


納豆のパックが3つくらいあった。


炊飯器を覗くとお米も残っている。


私はまたまたため息をつきながら
ご飯をお茶碗によそい、
水を数滴かけ、蓋をして
レンジに掛けた。


20秒。


納豆はカチカチに凍っていたので
上にあるビニールを剥がしておいた。


ピーッピーッピーッ…。


電子レンジが鳴る。


この1人では広すぎるリビングに
響き渡った音を聞いた途端
急に寂しくなった。


そして、俯いてレンジの
ドアを開けた時だった。


「え、美羽?!」


え…。
と呟いて虚ろな目で
声の主を確認した。


間違えない。


「ちづるお姉ちゃん…。」


「美羽、どうしたの?!
 こんな時間に帰ってきて。
 早退?!」


ちづるお姉ちゃんは
子犬のようなクリクリした目で
私の全体を見た。
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