いじめ
私はふぅ…と一息ついて、
トイレを流した。


ジャー…という音を聞く。
それだけで何だか
安心が出来た。


結局吐いてしまったけど
家のトイレ、というだけで
とても安心が出来たんだ。


幸い、ちづるお姉ちゃんは
家にいなかった。


多分、家に忘れ物でも
取りに来たんだろう。


だけど…代わりにメモ書きが
食卓のテーブルに置いてあった。


(美羽へ

私の出来ることがあったら
何でも言って下さい。

ちづるより)


ねぇ、ちづるお姉ちゃん、
走り書きで短くても、
このメッセージには
優しさが溢れ出てるよ。


キッチンにはお米も納豆も
出ていなかった。


ちづるお姉ちゃんがしまってくれたんだよね?


本当にありがと…。


あんなに勢いよく
吐いてしまった後でも
お腹は空いていなかったから、
私は自分の部屋へ行くため、
階段を上った。


制服を脱いで、
部屋着の緩めのグレーの
ワンピースを着る。
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