いじめ
綾実ちゃんはサイドの髪を
少しずつ結んだ髪型をしていて
とっても可愛い子だった。


…何でそんなこと言うの…?


「…そうなんだ、ごめんね。」


少し面倒になって謝り、お弁当を
食べ続けた。


でも、不意に小さな舌打ちが聞こえ、
驚いて顔を上げる。
愛美ちゃんが彩ちゃんを睨んでいるのが
目に入る。


どうして…。


しばらくすると、愛美ちゃん、瑠夏ちゃんに
綾実ちゃんは教室を出て行った。


…ちょっと…怖かった…。


「彩…愛美ちゃん、怒ってるのかな…?」


不安になっておずおずと聞いてみる。
彩ちゃんはもくもくとお弁当を食べていたが
私の質問に驚いたように顔を上げた。


「…え、怒ってないと思うよ。
 でも愛美、ちょっとキツい子かも。」


キツい子…か…。


「そういえば彩ちゃんは愛美ちゃんのこと
 呼び捨てだけど、
 いつから知り合いなの?」


私がそう聞くと彩ちゃんの顔が
急に暗くなって、
私はちょっと戸惑った。



< 8 / 93 >

この作品をシェア

pagetop