いじめ
「さ…彩ちゃんっ?!」


ぐったりして、
廊下の隅に座り込んでいる
人を見つけた。


髪型はストレートロング。


顔は見えないけど
彩ちゃんかなって思った。


「…え。
 あ、美羽。」


彩ちゃんは力なく微笑んだ。




「…そっか、美羽も辛かったよね…。」


「…ううん、彩ちゃんだって…。」


彩ちゃんは、
教室に入れさせてもらえなかったらしい。


廊下でドアをどんどんと
叩く姿は、
周りから見たらとても
悲しいもの。


大変他のクラスのみんなからの
同情を引いたらしい。


…が。


当然彩ちゃんは辛くなって
泣きながら走ったらしい。


そして、人気のない
ここ、廊下の隅にいた…と。


「…美羽…
 あたし、もうや…。」


「…彩ちゃん。」


いじめ1日目で
こんなに辛い気持ちを
知るなんて、予想もしていなかった。
< 81 / 93 >

この作品をシェア

pagetop