いじめ
「…あ、青井先生…?」


彩ちゃんが目を丸くしながら
廊下の向こうを指差した。


…え、青井先生?


「本当だ…こっちに来る…。」


…どうしよ、青井先生が
こっちに歩いてくる。


授業サボってるのかって
聞かれちゃう。


…でも、青井先生も何してるんだろ…。


「お、藤井と安西…?」


少し驚いたように言う先生。


やっぱり見つかっちゃった。
何でここにいるのか、
聞かれないうちに、
私は青井先生に問いかけた。


「青井先生、どうしてここに?」


お前に言われたくねーよって
笑いながら言われるかな…
って思ったんだ。


だけど、青井先生は
思いつめた顔をしながら
唇をなめた。


私たちの目を瞬きしながら
交互に見つめていた。


そして、天井をちらりと
見てから、整った口を開いた。
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