いじめ
「先生、私たち…いじめられてる。」


さ、彩ちゃん…!


私はビックリして彩ちゃんを
見た。


彩ちゃんは真っ直ぐ青井先生を
見ていた。


「えっ…?」


青井先生、気が付いてなかったんだ。
青井先生は自分ことで
大変だったもんね…。


「だから…青井先生の気持ち、
 よーく分かる…。」


…こんなこと言って…
大丈夫かな…。


でも、青井先生は多分、
自分がいじめられてるってことを
私たちが知ってるって思ってる。


「…安西…。
 俺…。」


青井先生は、難しい顔をしながら
歩きだした。


あっ先生…。
と、私たちも先生の背中を追いかける。


「…俺が悪いんだよ。
 俺、大切な書類、
 学校の鍵ロッカーにしまったんだ。」


彩ちゃんと私は顔を見合わせた。


「そしたら、次の日なくなってたんだよな…。
 俺、何でだろうって思った…。」


青井先生は、経過を話してくれるらしい。


「鍵はちゃんと校長室の
 鍵置き場に置いたのに…。」
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