いじめ
「次の日なくなってた。
 先生方を疑うわけにはいかない…
 だけど、俺、どうしたら良いのか
 わからなくて…。」


苦悩の色が濃いことは
先生の声の調子から悟った。


「俺は昨日、鍵を戻しました。
 って反論したのが悪かったのか…。」


それ、先生、普通だよ…
私だったらそう言うよ。


青井先生。


「それ、青井先生悪くないじゃん!」


彩ちゃんが隣でそう言った。


「でも、他の先生も悪くない。
 全部俺の責任…。」


そんなっ…と、
口を開きかけた時、
キーンコーンカーンコーンと
ベルが鳴った。


休み時間に入るということを
告げる鐘だった。


「ごめん、こんな話して。
 忘れて、とは言わないが…
 やっぱ忘れてくれるかな。」


そう言って笑った青井先生の
笑顔はいつもと変わらなくて。


私は先生って凄いなって思った。


「わかりました!」


私たちも心配を掛けないように
精一杯笑った。


「俺がその…お前たちを
 いじめてる奴に言わない方が
 良いんだろ?」
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