秘密にし・て・ね(前編)
「うん・・・でも悪いからいいよ」
「なに花咲オレとのツーショットを彼氏に見られたら不味いってか?」
夏樹って言うよりも会社の人に見られるのがまずいのよ!
「そうじゃないけど・・・。」
「わかった、じゃ花咲この傘使えよ!今度返してくれたらいいから持ってけ」
そういって友成君は私に傘を押し付けてきたけど、えっ?それじゃ友成君はどうするわけ?
「あの・・・友成君は?別に傘あるの?」
「俺はこのまま駅まで走るし」
何言ってるの?持ち主が雨に濡れてどうすんのよ。
仕方がないか・・・駅まで一緒に帰るしかないよね。
「ダメダメ!友成くん自分の傘なのに何も濡れる事ないじゃん。
わかった、駅まで入れてってくれるかな?一緒に帰ろ。そうすれば濡れずに帰れるよね」
「そう?じゃ帰るか」
友成くんがさしている傘は男の人用なのか2人で入っても全然濡れない大きさだった。
友成君は身長が高いから結局は傘を持ってくれてて私はそれに寄り添うように隣にならんで歩いていた。
出来れば会社の子には会わないで欲しいな~。