秘密にし・て・ね(前編)
第三章

友成の思い



空にはついさっきまで雨が降っていたのは嘘のようにくっきりと丸い月が浮かんでいた。


「見てみて!満月!ウサギ見えるかな~」


無邪気に空を見上げ、お月さま伝説の如くウサギの話をする隣の花咲佳奈。


俺、何でこいつのこと好きになったんだっけ?


「か~なちゃん!」


名前を呼んだらカールした茶色の柔らかそうな髪の毛を揺らしこちらを振り向いた。
酒を飲んで頬をピンクに染めたその顔はメチャクチャ色っぽくて、思わずドキッとしてしまった。


なんだよ、花咲の彼氏良いな・・・・・こんな色っぽい顔毎回見れるのかよ。


メチャクチャ羨ましいぜ!


長期戦になるだろうけど、絶対に俺のものにしてーよ!


友成は佳奈の横顔を見つめながら好きになった時のことを思い出していた。


そう、あれはまだ俺たちが新人研修の真っ只中だった時・・・・

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