秘密にし・て・ね(前編)
「起きた?よく寝てたから起こすの悪いと思って」
「ごめんなさい・・・帰ってきたの気づかなくて・・・・」
「いや、俺もさっき帰ってきたばかりだし」
そう言って夏樹は私の居るソファーまでやってきた
「佳奈、今日、明日家に泊まれる?」
「うん・・・・泊まれるけど・・・なんで?」
「俺さ、来週から映画のロケで2週間ほど海外に行く事になったんだよ。
2週間も佳奈に触れられないと思うと気狂いそうだから充電しとこうと思って」
「えっ?海外に行くの?」
「そっ、ハリウッドからお誘いがかかってね~。正直うれしい半分、寂しい半分ってとこかな」
「寂しいってどうして?」
「佳奈はまだ分かってないの?どれだけ俺に想われているかってことを。寂しいのは、異国の地にいて佳奈と離れて過ごさなくちゃならないだろ?好きなときに佳奈を抱けないしさ~」
そう言って意地悪くニヤッと微笑んだ瞬間、夏樹の唇が私の唇と重なった。