秘密にし・て・ね(前編)


佳奈も正直この姿を見て泣きそうになった。



階段から突き落とされたと聞いたがこの怪我の状況からして本当に不意の出来事だったのだろう。



命があっただけでも奇跡的なのかもしれない・・・・・・。




とりあえず先輩をなだめ今日のところは帰ろうと言うことになった。



先輩は友成君のことが好きだから心配でなかなか帰るとは言わなかったけど、ここに居ても状況は変わらない。



今日はもしかして目を覚まさないかもしれない。



佳奈は来るときに持ってきたお見舞いの花かごをサイドテーブルに置いてメモに先輩の名前と自分の名前を書いてそっと置いてきた。


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