秘密にし・て・ね(前編)

昼休み、里奈が話しかけてきた。



「ねえ、佳奈。昨日、友成君の病院行ったんでしょ?どうだった?」



「うん・・・・・秘書室の先輩と行ったんだけど、先輩は言葉なくしてた」



佳奈の話す内容を聞いてただではすまない状況だと察した里奈の顔が強張った。



「友成君やばいの?」



「ううん、まだ分からない・・・・昨日の状況からしてとりあえずは一般病棟には戻ってきてたけど、腕にはたくさんの管が付いていたし、頭にも腕にも包帯が巻かれてた。顔色も悪くて私達が行ったときは眠っていて状況を把握できなかったのよ。先輩もちょっと取り乱してたからそのまま帰ってきた」



「そうなんだ・・・・・。友成君このまま回復に向かうといいんだけどね」



「私、気になるから今日はちょっと会議でいけないけど、明日また病院に行ってみるよ。もしかしたら家族の人に連絡が行ってるかもしれないけど、友成君以前、両親は海外勤務で日本に居ないって言ってたから身の回りものとかそろえるの大変だと思うから」



「うん、わかった。私も様子を知りたいけど、ゾロゾロと病室に掛けつけるのも良くないから私はもう少し回復してきたらお見舞いに行くわ。佳奈、また状況教えてね」




「うん」






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