秘密にし・て・ね(前編)
「あのバーで最初に声を掛けようって言った
のはオレ・・・
まあ一目ぼれってやつ。
それでスタッフに声を掛けてもらって
反応を見たんだけど佳奈は全く無視してた
からここはやっぱり本人が行ったほうが
良いってことになってオレが佳奈に
声を掛けたんだ・・・
話しているうちにやっぱりオレは
声を掛けたの間違ってなかったって
思ったよ。
話してても初対面とは思えないくらい
話が盛り上がって
《ああこの子やっぱりいいな》
っておもったよ。
それと、佳奈には申し訳ないけど
ここに連れてくるのも
俺の予定通りだったんだ。
オレは白々しく酔ったふりをしたんだ。
でもあそこで佳奈がオレを一人だけ
タクシーに乗せてサッサと帰ってしまったら
この計画はそこで終わり・・・・・
でも佳奈はオレを心配して付いてきてくれた。
まあタクシーに乗ってからは
本当に寝ちゃったけどね
気付いたら家の前だった」
佳奈はじっとなつきの話を聞いていた