秘密にし・て・ね(前編)



佳奈は言われたとおり友成の目を覗き込むと唇に暖かいものが触れた



「ッツ・・・・・・・・」



「ご馳走様~。な~んて!」



不意に友成にキスされてしまった。



「ちょっと!何するの!そんなに元気ならもう私なんて来なくても全部自分で出来るんじゃないの?幸いここは大病院なんだから身の回りのものとかすべて購買で買えるし。洗濯物もコインランドリー付いてるし・・・・もう来ないからね!」



「ごめん、ごめん。ただ、生きてること確認しておきたかったんだよ。
生きてて本当に良かった・・・・また花咲にも会えたし。俺さ、ずっと花咲に会いたかった。でも、あの女が俺から離れなくて・・・俺が花咲と会えば花咲に危害が被ると思ってずっと会うの避けてた。本当はこんなことなる前に警察やらなにやらに相談しておけばよかったんだけどな」




「そうだよ!もっと早くに相談してくれれば良かったのに」




でも何はともあれ友成くんが回復に向かっている事がうれしかった。



最初あんな状態を見たから余計・・・・・。



きっと、里奈も先輩も友成君の状況を聞いてほっとするに違いない。


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