秘密にし・て・ね(前編)
「マスコミでは俺たちの交際と過去の写真だけがクローズアップされてたけど実際はそれだけじゃなくて俺も彼女のファンからものすごい嫌がらせを受けてた。
ファンにもいろいろいて俺達の事を崇拝している熱狂的なファンも中にはたくさんいる。
あの状態の中で何も起こらないとは限らない。
幸い、危害が被ることはなかったけど、俺の事務所も彼女の事務所も仕事場以外は外出禁止令がでてホテルに軟禁状態だったんだよ。
家にはマスコミが張ってるから帰ろうにも帰れない。
いい加減、気が狂いそうな勢いだったんだけど、おかしい事にマスコミは今度は俺たちを認める反応をし始めたんだ。
お似合いのカップルだとかなんとか・・・・
俺はこれを利用しない手は無いと考えた。
実際には玲とはなんともないけど、世間がそう思ってるならそう思わせたほうがこっちの都合もいいだろ。
そのおかげで連日連夜マスコミに追われた生活から開放されて一昨日やっとこの家に帰ってこられたんだ。
あの時、両事務所も肯定も否定もしなかったけど案外ビックカップル誕生って思わせておいたほうが今後の映画の番宣になっていいだろうと結構乗り気でさ。
そのことを玲にも伝えたんだけど、彼女は嘘ではなく俺と本当に付き合いたいって言ってた。
今まで築き上げた地位も名誉も全て捨てて良いから俺ともう一度付き合いたいって。
マスコミにリークしたのは反省するからって。
でも、俺の心にいるのはお前じゃないってさっきはっきり伝えた
俺も自分の気持ちには嘘を付きたくない」