秘密にし・て・ね(前編)
「ごめん、待っちゃったかな?」
「別に?俺もさっき来たところ。思いのほか仕事早く片付いたから終ってすぐに来たんだよ」
友成君の前には半分入ったビールとお通しが置いてあった。
「悪い、咽が渇いて先に飲んでた」
「ううん、平気。何か食べるもの注文した?」
「食い物は花咲が来てからにしようと思ってまだ注文してないよ。何かこれ食べたいって言うのがあったら言って」
「ここの居酒屋のおつまみはどれも美味しいから友成君オススメのつまみで良いよ」
「あっそ、じゃあ飲み物はビールで良いな」と言って友成君は前と変わらずおじさんに大きな声でつまみを一通り注文してくれた。