秘密にし・て・ね(前編)
「ちょっと寝ちゃったの?嘘でしょ?ねえ藤堂さん!起きてくださいよ!」
佳奈は何度も揺すったり肩を叩いたりして起こしては見たもののピクリとも反応をしなかった。
そうだ彼の連れがさっき何人かいたじゃないその人たちに連れて行ってもらおう!
そういって佳奈は後ろを振り返るとそこにいたはずの彼の連れらしき人物が誰もいなくな
っていた。
「あれ?なんで誰もいないのよ?」
佳奈はふいに時計の針を見るともう時刻は12時を過ぎていた。
「私、一体何時間ここにいたのよ~マスターお会計お願い」
「ああ、お会計ならもう済んでるよ、
お連れさんのお友達がさっき帰るとき一緒に払って行ったから。
それと伝言、この人よろしくだって!」
そういってマスターは横に突っ伏している彼を指で突付いた。
佳奈は頭が混乱した。
宜しくされたって私この人の家も何も知らないのよ!
それにこんな有名人を普通見も知らない女の子に託す?
どうみてもおかしいわよ!
「どうしよう・・・・・はあ~」
出るのはため息ばかりだった・・・・・・・。