秘密にし・て・ね(前編)

一瞬のことでビックリした佳奈は抵抗するものの国崎の腕は一向に緩まなかった
さっき走ってここまで来たのか国崎のいつもの香水のほかにしっとりと汗のにおいを感じた。


暫く佳奈を抱きしめていた国崎はかすれた声で話し始めた



「佳奈・・・オレお前がいないと駄目みたい・・・・自分の勝手で佳奈を振っておいていまさらこんなこと言うなんて虫が良すぎるのは十分承知なんだけど俺のこの思いもう止められない・・・・・」




国崎のこの言葉を聞いて今まで抵抗していた手を緩めた




「佳奈に彼氏が出来たのを聞いた時、見もしないその相手に嫉妬しまくったよ。その男が佳奈に触れることを想像するだけで気が狂いそうになる・・・・」




国崎のことばに佳奈はどう反応していいのか困った。



私だって多分夏樹がいなかったら未だに立ち直ってないと思う。



それくらい私は国崎に溺れていた・・・・



でも夏樹が私の前に現れたそして失恋してどん底の私を救ってくれた・・・・。




夏樹がいなかったら今の私本当に駄目になっていたかもしれない。




そんな思いをしたのにどうしてこの人はいまさらこんなこと言うの?

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