運命の花嫁
「しかし、」
「なんですか?」
「普通は混乱するものではないのか?」
普通はそうだろう、だけど私は普通ではない。
「だって私は、向こうの世界・・・・日本が大嫌いなんだもの。あんな国・・・・大嫌いよ」
ギリギリと音がするほど歯をくいしばり、唇を噛み締めた。
「ああ、そんなに唇を・・・・傷になってしまいますよ」
パッと唇を離すと、やっぱり血が滲んでいた。
「ああ、やはり・・・・チハルさん、こちらへ」
てくてくと歩いて行くと、リドさんの手が私をとらえた
「え?」
「少し触りますよ?」
何するんだろ
.