オソトになりたい
元々は世の中の評価なんて気にせずに
のびのびと絵を描いていたカズマさんだから、
その夢が重くのしかかり、
辛くなる日もありました。

そんな日には、
シズさんがいつもよりたくさん微笑みかけ、
いつもよりおいしいごはんを作るのです。

シズさんはよく、
カズマさんがいないときに金魚たちに
『カズマはね、
まだ世の中のみんなに知られていないだけで、
ものすごい才能の持ち主なのよ！

私、いろんな画家さんのモデルをしてきたけど、
あんなに胸にジ～ンとくる絵を描ける人はそうそういないもの！』
と、頬をピンク色に染め
ちょっぴり照れながらのろけるのです。

おのろけというのは
あまりに過ぎるとよくは思われないものですが、
シズさんのおのろけは本当にカズマさんが好きなのが伝わってくるので、
むしろかわいらしく、とっても微笑ましいのです。
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