オソトになりたい
他にも世界中のいろんな国を巡りました。

その中には、
名前もないような
小さな南の島もありました。

電気がないぶん、
どの都市を巡ったときよりも
今たゆたっている星のかけらたちの水が
それはそれは言葉では言い表せないほど
美しく眩く輝くのです。

その下で、
夜風に吹かれた椰子の木が
夢心地でゆらゆらと揺れます。

光の中から見るその様子は、
天国と呼ぶにふさわしい眺めです。
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