突然の出逢い
由美も全く同じ考えらしい。

遊びと考えるのはおかしくないな。

「さて、仕事すっかな。
沙奈を待たせたらかわいそうだし。」

「さすが、お姉ちゃん(笑)
沙希は沙奈ちゃんに甘いもんね(笑)」

「まぁ、可愛いからね」

由美と、デスクに戻る為給湯室を出たら

「遠藤さん。」

目の前から、秘書課の美馬さんが歩いてきた。

「あ… 美馬さん。」

「沙希、先に戻ってるね」

由美は、美馬さんに会釈をしながらデスクに戻って行った。

「すみません。お話し中でしたよね?」

美馬さんが申し訳なさそうに謝ってきた。

「いえ。大丈夫ですよ。
それより、お話があっていらしたんですよね?」

困った顔の美馬さんは、なんだか見惚れるぐらい
カッコよくてドキドキした。

「えぇ。今お時間よろしいですか?」

良くない…とは言えず、頷くことにした。
美馬さんは「ではこちらに」と歩いて行ってしまったので
後を追いかけるようについて行った。

「お仕事中にすみません。社長のことなんですか…」

話は、やっぱり社長の話

「何でしょうか?」

「あなたは、遊びで社長があんなことを言ったと
考えてますか?」

当たり前なことを聞いてくるなぁ…

「えぇ。私は社長のことも知らなければ、一社員ですから。
それに、私は今どなたとも結婚を考えていません。」

「そうですか…。社長は、以前から貴方のことを
知っているようですか…。」

「知っていたら、話は違っていたかもしれませんね。
突然言われれば、遊びと感じるのは当たり前だと思いますが。」

自分の意見はすべて隠さず言わなければと思ったから、
きつい内容かもしれないけど伝えた。

「分りました。ですが、遊びじゃないことは分かってあげて下さい。
あなたが、社長室を出て行ってから仕事に手がつかないんです。
…だからこんな事をお願いするのもなんですか…
社長とお友達として付き合って貰えませんか?」

はい?!

「あれだけの容姿でしたら、好きなだけ女性を選べるのでは?
とりあえず、考えますので今日はこの辺で失礼します。」

そう言ってから、その場を離れた。
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