人の死にまつわる話
土曜日の朝、私は取り急ぎの着替えなどをバッグに詰め込んで病院に向けて出発した。
娘は塾で自習をするということで、昼食代を渡し、夫が夕方帰宅するので、一緒に帰宅するようにと言って。
子どもを残して出かけるのは心配もあり、後ろ髪引かれる思いだったが、なにしろ父の病状がどうなのかがわからない。
妹の話では今すぐどうこうということではないようだったので、このような決断をしたのだが、後に後悔することとなった。
高速道路は幸い渋滞もなく、スムーズに病院に到着することができた。
病院の受付で、子ども連れだということで呼び止められてしまい、病棟のナースステーションに連絡を取ってもらって、ようやく入ることができた。
個室に入っていた父は、正月から考えられないほど衰弱していた。
言葉もはっきりと聞き取れない状態で、何度も聞き返してやっと言っていることがわかるような感じだった。
ベッドは普通のスプリングから、床ずれ防止のエアーベッドに変えられていた。
エアーベッドの重量がデジタル表示されており、そこには「50kg」という数字が表示されていた。
元気な頃から20kg以上やせてしまったことになる。
パジャマは上だけを羽織り、お腹から下はタオルケットがかけられていた。
足をもんでほしいという父の要求を何度も聞き返しながらようやく聞き取ったが、足の皮膚が薄くなってしまっており、少し力を入れると痛がるため、病院から出されたワセリンを塗って滑らせるようにもむしかなかった。
娘は塾で自習をするということで、昼食代を渡し、夫が夕方帰宅するので、一緒に帰宅するようにと言って。
子どもを残して出かけるのは心配もあり、後ろ髪引かれる思いだったが、なにしろ父の病状がどうなのかがわからない。
妹の話では今すぐどうこうということではないようだったので、このような決断をしたのだが、後に後悔することとなった。
高速道路は幸い渋滞もなく、スムーズに病院に到着することができた。
病院の受付で、子ども連れだということで呼び止められてしまい、病棟のナースステーションに連絡を取ってもらって、ようやく入ることができた。
個室に入っていた父は、正月から考えられないほど衰弱していた。
言葉もはっきりと聞き取れない状態で、何度も聞き返してやっと言っていることがわかるような感じだった。
ベッドは普通のスプリングから、床ずれ防止のエアーベッドに変えられていた。
エアーベッドの重量がデジタル表示されており、そこには「50kg」という数字が表示されていた。
元気な頃から20kg以上やせてしまったことになる。
パジャマは上だけを羽織り、お腹から下はタオルケットがかけられていた。
足をもんでほしいという父の要求を何度も聞き返しながらようやく聞き取ったが、足の皮膚が薄くなってしまっており、少し力を入れると痛がるため、病院から出されたワセリンを塗って滑らせるようにもむしかなかった。