人の死にまつわる話
面会時間が終わり、病院に母を残して私と妹、それぞれの子どもたちは実家に戻ることになった。
夜も遅く、とても帰ってから夕食を作る元気もなかった私たちは、ファミレスでご飯を食べることになった。
これから長丁場になるだろうということで、ご飯はしっかり食べた。
こんな時に心労でご飯がのどを通らない…ということのない自分の体が頼もしくもあり、うらめしくもあった。
帰宅後に娘に電話をし、次の日塾のテストが終わったら電車でO駅まで来るように言った。
娘は多少は電車に乗ることに慣れていたが、遠くまで一人で電車に乗ったことがない。
なので、乗り換え場所などを詳しく話して電話を置いた。

次の日の早朝、母から電話がかかってきた。
父があぶないという話だった。
私たちは急いで朝食を食べて着替えをし、病院に出発することになった。
出発の直前に叔父がかけつけてくれた。
現在男手のない私たちにとって叔父が来てくれたのはとても頼もしかった。
娘を駅まで迎えに行くことを考えて私の車で行くことになった。
とにかく気がせいて事故を起こさないように…ということだけを考えながら運転に集中した。


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