人の死にまつわる話
お正月の朝も父は自室ですごした。
そのかわり、退院してすぐにコンビニで自分でおろしてきたというお金をお年玉として、一人一人に配れというお達しがあった。
私たちはそれに従って、お年玉をもらった。
お年玉は孫たちだけでなく、娘の私と妹、私の夫、母にも配られた。
お年玉の袋には一人一人に父からのメッセージがしたためられていた。
実際にはもう字も書けなくなっていたのだが、妹に代筆を頼んだらしい。
それでも、父からのメッセージは心にしみた。
そして父が、部屋までおせち料理を見せに来いといった。
私と母でお重をかかえて二階に持っていって見せた。
「うまそうだな、食べたいな」と言っていたが、そのときには流動食しか食べられなくなっていた父には、匂いだけしか堪能してもらうことができなかった。
そのかわり、退院してすぐにコンビニで自分でおろしてきたというお金をお年玉として、一人一人に配れというお達しがあった。
私たちはそれに従って、お年玉をもらった。
お年玉は孫たちだけでなく、娘の私と妹、私の夫、母にも配られた。
お年玉の袋には一人一人に父からのメッセージがしたためられていた。
実際にはもう字も書けなくなっていたのだが、妹に代筆を頼んだらしい。
それでも、父からのメッセージは心にしみた。
そして父が、部屋までおせち料理を見せに来いといった。
私と母でお重をかかえて二階に持っていって見せた。
「うまそうだな、食べたいな」と言っていたが、そのときには流動食しか食べられなくなっていた父には、匂いだけしか堪能してもらうことができなかった。