人の死にまつわる話
子どもたちの学校が始まる日、私は近所の車通りの多い交差点での旗振り当番のために早めに家を出て目的地に向かっていた。
その途中で携帯に着信があった。
妹からだった。
私はいやな予感がしつつ、電話に出た。

妹は「お父さんが救急車で病院に運ばれたの」と告げた。
その日は外来で受診する予定だったのだが、急に発熱して痙攣し、あわてた母と妹が病院に電話して指示を仰いで急いで病院に向かうことになったのだが、父は起き上がることができないため、救急車のお世話になったということだった。

私は正月の時の父の様子からは考えられない事態に、かなり動揺した。
実際に父の様子がわからないので、とりあえず週末に行くからと伝え、電話を切った。

折しも、娘の塾のテスト、夫の休日出勤が重なったちょっとやっかいな週末だった。
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