REAL gray
昔々
メールをしていて、静かだったから雨は降っていなかったはずだ。
「惚れた?」
春休みの夜中で、エロトークの後だったかな。
「うん、惚れた」
私が
天道優司(てんどうゆうじ)にメールで告白したのは。
彼は携帯電話を買ったばかりだった。
しかし始めて数日というメールではなく、返事がとてつもなく早かった。
それは、以前から友達の携帯電話を使い荒らし、メールをしていたからだ。
彼が自分専用の携帯電話を持って喜んだのは、私とその友達であろう。
優司は
「照れるわ〜」
「オレに惚れるなんて……。辻、病院行け」
そう言い残した。