REAL gray
2週間が経った。
テスト前ほど遊びたい時ってないよね。
私の隣でポソッと虚しげに呟いたのは西山奏(にしやまそう)。
内面も外見も中性的。
家庭環境が似ていて、なにかと理解してくれる。
高校でできた友達。
が、少々腐っている。
正直私も同族なのだけど、優司はそれを知っているし特に問題はない。
奏のさっきの台詞はごもっともだ。
今までも散々遊んでいたくせに、テスト前にその欲求が倍増するのはただの現実逃避。
期末考査を一週間後に控えた6月。
私たちの学校は七夕を真ん中に3日間文化祭が行われる。
その準備ため期末考査は毎年この時期。
すでに準備は始まりつつあるが、このテストが終わればいよいよ本格的始動だ。
高校では中学とは比べものにならないくらいクラスの全員が勉強している。
前回の中間考査も同じく。
しかし私は一切勉強してなかったにも関わらず、学年26位という驚異的な記録をたたき出してしまった。
いくら高校のレベルを少し下げたからといって、勉強しなくてもこの順位とは驚いた。
「いーなー。ハルは頭よくて」
「理数だけはね」
「この前のオレの最高点がハルの最低点に届いてないからね」
なんて笑いながら言うけれど。
この学校の生徒は要領が悪いのだろう。