REAL gray


私たちが住む市の近くに、イルミネーションで有名な町がある。



12月24日(土) 18:30

かっちゃんからメールがあった。
「イルミネーション見たいかー!!?」

「見たいぃー!」



え、何このテンション。


自分で返したメールに驚いた。
しかし、おっちゃんと過ごしたかったクリスマスをひとりで越せる自信がなかった。



「7時頃に迎え行く!優司と梅子も一緒に」



かっちゃんは優司くんの幼なじみで、よく遊びに誘ってくれる。梅ちゃんは私の親友。
4人とも同じクラスだ。


高校受験まっしぐらなこの時期、息抜きもできるだろう。







――この時はまだ、
優司くんを全く意識していなかった。


優司くんの温かさに、触れるまでは。
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