REAL gray
3列シートの2列目に、私と梅ちゃんが並んだ。
梅ちゃんの後ろにかっちゃん、私の後ろに優司くんが座った。
そして帰り道、おじさん(かっちゃんのお父さん)が言った。
「もう少し行くと自殺の名所の橋があるんだ」
「よっしゃ、父ちゃんそこ通ろうぜ」
「うは〜!チョー怖ぇ!」
かっちゃんと優司くんはノリノリだった。
梅ちゃんはもう半分寝てたので、どうでも良さそうだった。
私は…
「はっ、余裕」
……なんて言えるわけもなく、「怖いからやめよう」なんてカッコ悪いことも言えなかった。
私は相当なビビりのくせに、無駄に強がる傾向があるのだ。
可愛さ半減の上、質が悪い。
くっそぅ……
おじさん、何でそんな情報を言うんですか!(おじさんに当たるな)
まだその橋にたどり着いてもいないのに、夜の雰囲気にのまれ少し泣きそうになっていた。
その時、私の首元に温かいモノが触れた。