あかねいろ
ちょっと意味が分からない
『どゆうことよ、それ?』
『俺、独りで住んでるんだけど、ある人との約束でさ。とりあえず絶対高校には入れって。それからはなってから考えればいいけどって話しでさ。』
初対面には謎だらけのセリフである。
『入学すればいいって、卒業しなくちゃ、入った意味なくないの?』
間違いないはずの素朴な疑問を言ったが、彼の返事を聞く前に
〜♪〜♪〜♪〜
大斗の携帯が鳴った。
普通の電子音だった。
てっきり流行りの曲な気がしたのになぁ。
『あぁうん。今?ファミレス。チャリとっただけで行かなかった。すみません…なんてーあはは。あー後でまた電話する。バイバイ』
話しながらとても優しい顔をしている…
短い会話、通話が切れる。
『今の彼女でしょ?なんか嬉しそうに話してたね?』
さすがに女の子、興味がある様子。
『そう?別に彼女ではないけどね。』
サラリと返されてしまった。
『じゃぁ、好きな人?』
続けて聞くと、彼は優しく笑った…。
その中にはどんな想いが有るのだろう?